Think clearly 最新の学術研究から導いた、よりよい人生を送るための思考法
- 作者: ロルフ・ドベリ,安原実津
- 出版社/メーカー: サンマーク出版
- 発売日: 2019/04/02
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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電車の広告、書店のランキングでよく見かけた本書。
“よりよい人生を送るための思考法”....気になる副題!ということで読んでみた。
読後の感想としては、
この本に興味のある人達の多くにとって本書は不要だろうなと思った。
何故か、そもそも本書に興味を持つような人たちは既に多くの自己啓発本やビジネス書を読んできた人たちだと思います。
(だから本書にも興味をもったはず)
そのような人たちにとって本書はこれまで読んできた本のエッセンスを集めたベストアルバムのように感じると思う。
シングルCDを持っているのに同じ曲の入ったベストアルバムを買う必要があるのか?
ということです。
(もちろんベストアルバム限定曲の為に買う。ということもあると思います。
本書の場合それにあたるのがエッセンスに対するエビデンスと言えるでしょう。
あと、別にベストアルバムを買うことを否定しているわけではないからね!)
本書は「よりよい人生」を手に入れるための思考法を紹介している本です。
著者は序盤で「よい人生」とは何か、答えは分からないとしながらも、
よりよい人生への可能性を高める考え方として52の考え方、
本書でいうところの「思考の道具箱」を紹介しています。
52の思考法は一つ一つ内容が違いますが、行きつくのは
心が落ち着いた状態(アタラクシア)をを手に入れるための物事の捉え方です。
幸せ、不幸せによる感情の上下、それに伴う行動を抑え、心の平静を保つ。
なんだかそれって仏教っぽくないですか?
諸行無常を受け入れて涅槃の境地に至る。
またCDの例えになりますが仏教のカバーアルバムっぽい。
いや、僕仏教徒ってわけではないので間違っているのかもしれないんですけど、
世の中に対する考え方が少なくとも僕の知っている仏教っぽいなと思ったわけです。
冒頭で本書は不要うんぬんかんぬん書きましたが、
それでも気になる内容はあって、
冒頭の「考えるより、行動しよう」はこの手の自己啓発本にはありがちなんですが、
今回は納得感とともに読み進めることができました。
何を書くかというアイデアは、「考えているとき」にではなく「書いている最中」に浮かぶ
確かに!と納得しました。
仕事で資料作成するときとかも関連資料を読んだり、どうしようか考えているときよりも、
とりあえず一旦やってみると、こうしたほうがいいなと頭に浮かぶことがあったからです。
本書はやる気やモチベーションアップさせてくれるような本ではありません。
ひたすら現実的に物事を捉え考え、不幸な状態を排することで
よりよい人生の状態を目指す。
「明日」のためではなく、「今日」のための本です。
★備忘メモ
・何を書くかというアイデアは、「考えているとき」にではなく「書いている最中」に浮かぶ
→考えるよりまず行動してみること。考えるべきことが分かる。
・計画通りにはいかない。計画は全て修正され計画され続けるもの
・今持っているものがなかったら?と具体的に想像することで、持っている今に幸福を感じる
→ただ毎日幸福を噛みしめていては慣れが生じる。それを防ぐには失った状態を具体的に想像することで持っている幸福に飽きずにすむ
・組織に属さない人たちと交流しよう
・専門性を身に着けること、競争に巻き込まれないこと
・柔軟に対応するよりも信念に基づいて対応するほうが容易
→判断力を無駄に使わない。スティーブ・ジョブズの服と同じ