明けましておめでとうございます。
2020年も地道にインプットしたこと等アウトプットしていきます。
本年もよろしくお願いいたします。
お正月休み中は時間があればやりたかったことを少しずつやっています。
その一つが前から見たかった『アイアンスカイ』の続編、『アイアンスカイ 第3帝国の逆襲』の鑑賞です。
タイトルに"2"とか表記ありませんが、続編です。
前作は鑑賞済みで、国際政治をネタにしたブラックユーモアとオカルト・SFを混ぜたテイストが最高でした。
前作、本作ともにクラウドファンディングで制作費をファンから集めて作られた作品です。
前作が「月からナチスが攻めてくる」なんておバカ感(良い意味)で、
こりゃあ応援したくなるよな!という面白さだったので本作も鑑賞しました。
本作のあらすじと鑑賞しての感想(ネタばれあり)は以下に書いていきます。
そもそも前作を知らない人は下の予告編YouTubeを見て雰囲気つかんでもらって、
気になったら前作から是非見てほしいです。
あらすじ(公式より引用)
人類は月面ナチスとの戦いに勝利するも、核戦争で自滅し、地球は荒廃してしまった。それから30年後、人々はナチスの月面基地で生き延びていたがエネルギーが枯渇し、滅亡の危機を迎えていた。主人公オビは地球の深部に新たなエネルギーがあることを知り、人類を救うため、前人未到の<ロスト・ワールド>へと旅立つ。しかし、そこはナチス・ヒトラーと結託した秘密結社ヴリル協会が君臨する世界だった。ヤツらは人類絶滅を企て、恐竜とともに地底から攻めて来るッ!!
感想(ネタばれあり)
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映画としては面白いけど、前作の面白さが失われている!というのが正直な感想です。
予告編見て、今度のおバカ具合もすごいぞ!と期待値が上がっていたのも一因ですが、
期待していた面白さとは違ったな。というところです。
もちろん素晴らしい点もあります。
音楽がカッコいい、CGが前作よりめちゃくちゃ良くなっている。
地下世界、爬虫類型宇宙人、地底、宇宙、アップル、目のつけどことがメチャクチャ良い!
そもそも映画完成させたのが偉い!(前作から7年ぐらいたっている)など。
ただここがこうだったら完全燃焼だったかも!ここがよくなかったなという点を以下に整理してみました。
日本語副題が内容にあっていない
まず日本語の副題『第3帝国の逆襲』ですが、これが内容とあっていません。
敵がヒトラーであること、「月からナチスが攻めてくる」という前作の荒唐無稽なイメージを
プロモーションに使いたかったという理由から、ナチスをイメージさせるこの副題にしたのかなと思います。
しかし、英語の原題は「coming race」です。日本語訳すると「来るべき種族」となります。
この副題と、映画の内容が地下世界の話であること、
ヒトラーはじめとした爬虫類型宇宙人の組織がヴリル協会であることから、
ブルワー=リットン著『来るべき種族』を意識していることは間違いありません。
なので、多くの人に見てもらうという意味では「第3帝国の逆襲」という副題にするのは理解できます。
しかし本作を見るような人はモノ好きで、歴史・国際情勢・オカルト・SFの知識を有していることが想定されるので、
もっと原題に忠実な日本語副題か、twitter検索すると続編とは知らずに見てしまった人も多くいたので
いさぎよく「アイアンスカイ2」にするのが良かったと思います。
そもそも内容的にナチス攻めてきませんからね。
キャラが出オチ
本作では、マーガレットサッチャーから、チンギス・ハーン、マークザッカーバーグまで、
人間ではなかった!という感じででてくるんですが、こんだけ有名なメンツを出しておいて、
飯食っているシーンだけというのはがっかりでした。
一部の偉人は戦闘にも参加しましたが、特にそのキャラである必要がないキャラの特性が見えない立ち回りなので、
期待を裏切られたような感じです。
もっと個々のキャラが活躍してストーリーに絡むような立ち回りだと良かったなと思います。
偉人大集合!ということを映画鑑賞前に知っていたので、そもそも知らなければ楽しめた気もします。
予告・プロモーションがこの点を煽りすぎだった気もします。
前作にはあった風刺、ブラックユーモアが失われた
前作では風刺やブラックユーモアがてんこ盛りでした。
「大統領選のために月に黒人を送ってイメージアップ!」
「任期一期目で戦争を始めた大統領は再選されるから戦争したがる」
「大国間で嘘ばかりつく」「戦争に次ぐ戦争で平和にはならない」
などストーリの中に風刺やブラックユーモアが入れ込みつつおバカ調子で消化するという点が、
僕的には好きだったのですが、本作だとその前作の良さが失われたように感じます。
本作「アイアンスカイ 第3帝国の逆襲」は荒唐無稽な設定の上になりたってはいるものの、
おバカ調子のブラックユーモアと風刺はなりを潜め、正統派冒険物語を意識した作品になっています。
なので、映画として見ると面白いといえば面白いです。
ただ前作の続きとして見ると、イマイチな感想を持ってしまいます。
今思い出せる本作の風刺的場面というとアップル信者に対する扱いぐらいですしね。
もう少し前作の持ち味を本作にも入れてほしかったなと思います。
まとめ
ここまで、なんだかんんだ書いてきましたがこの作品好きです。
好き故にここがこうだったら!と思ってしまうわけです。
本当にダメと思ったら、そもそもブログ記事にすらしません。
オカルトとSFとブラックユーモアの濃縮ミックスを摂取するには本作が一番です。
続編もあれば是非見たいです。
リンク
- 作者:エドワード・ブルワー=リットン
- 出版社/メーカー: 月曜社
- 発売日: 2018/08/22
- メディア: 単行本