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【ざっくり感想】動物農場

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動物農場 (角川文庫)

動物農場 (角川文庫)

何故読んだのか

以前読んでいた『1984年』と同じ著者が書いていることを知り、興味を持った。 この頃技術書やビジネス書を中心に読んでおり、小説を読んでいなかったこともあり読むことにした。

一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫)

一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫)

要約

農場で人間に買われていた動物達が豚を中心に人間を追い払い、 全ての動物が平等に暮らせる動物農場を打ち立てる。しかし、しだいに豚たちに富と権力が集中するようになり、全ての動物が平等暮らすという理想は失われる。

感想

久しぶりに小説を読むことができて楽しかった。

 豚のほかの動物個々についている名前をなかなか覚えることができず、何度かこれはどんな動物だっけと、最初のほうのページに戻らなければならなかった。  豚が農場の動物達の指導者として人間達への反乱思想を植え付け、指揮するところは最近読んだ漫画『ジンメン』っぽいなと思った。詳しくは知らないが『ジンメン』の作者は『動物農場』から着想を得たんじゃないかなとも思う。 (『ジンメン』は4巻までしか読んでないのでテキトーなこと言ってたらすいません)

 読み進めていくと、最初の豚メイジャーが人間への反乱の意思と動物平等の思想を唱え死んだ後、動物達は人間を追放しスノーボールとナポレオンという2匹の豚が指導者となる。ナポレオンがスノーボールを追放して敵とみなし、ナポレオンを中心とした豚が権力と富を独占しほかの動物は労働に苦しみ、当初の全ての動物は平等という理念が捻じ曲げられる。

 この流れあまり詳しくはないが社会主義、具体的にはソ連っぽいよなと漠然と思っていたが、本書の最後に記載された著者の序文案や訳者後書きを読むと間違いではないことが分かった。本書はおとぎ話の体で、スターリン主義を批判していたのだった。ただ、何も知らずに読んでも近かれ遠かれ権力は腐敗するという視点を本書から読み取ることができると思う(著者としては単にスターリンのやり方を批判したかっただけだと思うが)。  また当初に掲げられた理念やこれまでの主張や歴史が書き換えられていく様は、『1984年』とのつながりを見出すことができる。著者は『動物農場』でスターリン批判をし、その内容をさらに発展させ『1984年』で全体主義を批判したかったのではないかと思う。

 ちなみに本書『動物農場』は面白いのだけれどスターリン批判的な風刺がありありとして分かりすぎるので、もう少しSF的要素強めで楽しめる『1984年』のほうが個人的には好きです。

リンク

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