要約
コンピュータやコンピュータネットワークを利用した犯罪の捜査に対する考え方を、捜査の仕方を第1章にてQA形式で解説。また2章では、犯罪ケースをもとにどのように考え、操作、立件化できるかを解説する。
読んだ理由
Twitterのタイムラインに流れてきて、面白そうであること、サイバーセキュリティに関しての知見を深めることができることを記載して読むことにした。
感想
期待していたような内容ではななかったものの、興味深く読むことができた。 本書のタイトルには、デジタルフォレンジックとあることから、削除等によって失われた犯罪の証拠となるデータをHDD等の記憶媒体から復元するようなことについて記載されているイメージを持っていた。 しかし実際にはコンピュータやインターネト上で行われる犯罪についての捜査、取り締まり、立件化への考え方等の解説が主であって、技術的な内容の記載もほとんどなかった。 ただ、それでガッカリしたかというとそうではなく警察等の捜査機関がどのような考え方で広義のサイバー犯罪に臨んでいるかということが知れたため、興味深く読むことができた。 1章のQA形式による解説も興味深く読むことができたが、2章の実際のケースを元にした解説は特に面白かった。 CTOが自社の暗号資産を不正に取得しようとするケースについての解説では、そのようなことがあるのかと、驚きと興味をもって読むことができた。 本書は警察関係者向けだと思うため、技術者にとってはすぐに有用な知識が得られるわけではないが、近接領域の知識としてサイバーセキュリティ関連に携わる人にとっては面白い読み物になると思う。
学び
- 警察からの要請には応える義務があっても、義務に応じないからと言って特段の罰則がないものもある。