行ってきました!現在森美術館で開催中の「未来と芸術展」。
「未来と芸術展」とは
最先端テクノロジーを使用、または影響を受けたアートやプロジェクトを5つのセクション、 「都市の新たな可能性」、「ネオ・メタボリズム建築へ」、「ライフスタイルとデザインの革新」、「身体の拡張と倫理」、「変容する社会と人間」 で展示し、それらを通して社会や人間のあり方、未来を考えよう!という展覧会です。
六本木にある森美術館で2019.11.19(火)~ 2020.3.29(日)の期間で開催されています。
体験レポート
ここからは「未来と芸術展」を5つのセクション毎に体験レポートしていきます。
都市の新たな可能性
展覧会はまず、「都市の新たな可能性」から始まります。
世界各地で建築が進めらている未来都市やそのコンセプトについて展示されています。
中東に建築されているマスダール・シティが紹介されていたり、水上都市のコンセプトなどが紹介、展示されてます。
このセクションに入って「おや、この展覧会は建築とか学んでいる学生向けだったのでは?」という思いが芽生えます。
並んだ都市のコンセプトアートや建築模型、都市の紹介ビデオ....。
そしてそれらを鑑賞するおそらくアート系であろう学生さん達。
十分楽しい!だが思ってたのと違うのではないか....
しかし、それは杞憂であることはすぐ分かりました。
少し進めば僕の好きな「ブレードランナー」をはじめとした未来都市が舞台となる映画のポスターが展示されていたり
何だかよく分からないけど東京がうつしだされた展示があったりと、
未来を感じさせる展示があることが分かりました(そもそも何が展示されているか下調べしてませんでしたので)。
アート系の学生さんじゃなくても楽しめる!やった!
(目をトラッキングして情報をガラスに表示するようなのですが、僕の目はトラッキングしてくれませんでした)
ネオ・メタボリズム建築へ
ここでは木と紙を用いて都市を拡張しようという考えや、火星植民計画について展示されています。
中でも火星植民をどのように実現するかというコンセプトビデオは多くの人が足を止めて見ていました。
残念ながらこのセクションでは写真を撮っていません。
ライフスタイルとデザインの革新
確かこのセクションが一番明るい雰囲気だったはず。
VRでドライブの助手席に乗っている体験ができたり、 (この体験はドライブ側とVR側が必要なので、2人で行くと楽しめます。)
ファッションからAIBOまで幅広く展示されていました。
中央集権的テクノロジーの象徴としてのIBM。
ロボットとの暮らしが日常になったら?とか。
身体の拡張と倫理
このセクションでは人間の身体をテーマに展示が行われていました。
バイオテクノロジーだとか、デザイナーズベイビーの過激版とか。
下の写真は心臓をより効率的にデザインできるようになるかもね。な展示。
最初見たときはホルマリン漬けの脳かと思ったよ。
また、やくしまるえつこさんの作品「わたしは人類」が展示されていました。
この展覧会の「わたしは人類」でやくしまるえつこさんについて初めて知りました。
Wired Audi Innovation Award 2019 のインタビュー記事で知りましたが、
この「わたしは人類」で世界最大の科学芸術祭典アルスエレクトロニカ・STARTS PRIZEグランプリで受賞されていたそうです。
「わたしは人類」の曲をDNA変換して微生物に組み込んだのだとか。すごい。
やくしまるえつこ『わたしは人類』Etsuko Yakushimaru - “I’m Humanity” / ArsElectronica STARTS Prize Grand Prize Winner
変容する社会と人間
最後のこのセクションでは人間と社会がどう変わっていくか、
どうあるべきなんだろうか、と考えるようなものが展示されています。
例えば、3人の遺伝情報を持った子供の親権、親は?家族はどうなる? といった展示や
孤独死でも安心!ロボットに腕をさすってもらって安らかに旅立とう! なんてものがあります。 (自分や親がこのロボットのお世話になることを想像すると、かなり辛いものがありました。)
上の画像のロボット、なんかめちゃくちゃ鳴いてた。「おお...おお...」って。恐い。
将来ロボットが進歩して人間を凌駕する時代にはこの光景が懐かしいものとして
扱われるのだろうかなんて思ったり。
最後にはモノリスが!モノリスが最後の部屋ってなんか意味ありげですよね。
モノリスが何か知らないという人は、映画「2001年宇宙の旅」を是非見てください。
映画見ただけだと余計に分からなくなるかもしれませんが...。
ネタばれありで手っ取り早く知りたい人は、下部リンク項目に解説記事のリンク置いてますので、
そちらを参照してください。
全体を通しての感想
展覧会序盤は無難な感じから入って、ワクワクした流れになり、そこからディストピアを思わせる展示内容に...。
という流れに感じました。企画者がそれを意識したかは分からないし、何が明るくて暗いかは見た人の感性によると思うけど。
「未来と芸術展」についてこの記事を書くために振り返って思ったのは、
未来は「いつか来るもの」から「今ここにあるもの」になったんだなということ。
だから僕たちとしてはどの未来を選ぶか、選んだ未来に対してどう向き合うか(どうありたいか)が課題になったんだと思う。
展示されているテクノロジーやアートはどれも本気で金をつぎ込んで、社会の合意さえ取れれば実現可能だろうなと思うものばかり。 (もしくは既に実現されている未来を感じさせるようなもの)
イルカが攻めてくるような遠い未来の話なんかじゃない。 (何ならそんなイルカさえ生み出せるかもしれない)。
かつて描いた未来が目の前に差し出された今、社会として人間としてどうありたいか考えてほしい。
それがこの展覧会からのメッセージだと受け止めました。
SFやテクノロジー好きにはたまらない展覧会だと思います。
もちろん、それ以外の人も十分に楽しめるので是非行って楽しんでほしいです。
まだまだ楽しめる!森美術館
「未来と芸術展」入場のために購入したチケットで、スカイギャラリーにも入場できます。
スカイギャラリーは「特別展 天空ノ鉄道物語」の一部になっているので、
東京の景色と鉄道関連の展示が見れてお得です。
また、スカイビュー出口近くには
ガチャガチャコーヒーなるものがあり、コーヒーで一息つくことができます。
色々な味のコーヒーがガチャガチャ形式で販売されています。
※500円のみ。両替機はガチャガチャよりも少し奥の壁にあります。
※各工程で説明が書いてあるので、読みながらコーヒーを入れていきましょう。
コーヒー抽出。割とコーヒーはねるので、少し離れたほうがいいです。
で、おしゃれにコーヒー飲みながら「未来と芸術展」を振り返ることができます。
未来のお菓子?を食べてみた!
「未来と芸術展」のグッズとして、コオロギスナックとミドリムシクッキーが売ってたので興味本位で買ってみました!
昆虫は栄養価が高く、食糧難に有効として昨今注目されています。
まさに未来食。
コオロギスナックの中身はこんな感じ(下の写真)。 見た目は悪くない。玄米と混ぜているらしい。
味は....。まずくはないが、おいしくもない。
玄米を乾燥させて味薄くした感じ。コオロギ感はない。
ただ、お菓子としてそのまま食べるには微妙。
ネタにはなるかもしれないが、お菓子としては嬉しくない。
ミドリムシクッキーはこんな感じ(上の写真)。
見た目は普通のクッキー!おいしそう!
味は...おいしい!後からほのかに緑感がくる気もするが、おいしい。
お菓子としては5個じゃ足りない。
どのお菓子もコスパとしてはイマイチ。まあ、イベントものだしね。
でも昆虫食とかがこれだけ抵抗感なく食べれる未来がくれば食糧難もなくなりそう。
そのころには肉は超高級品になっていそうですね。
※ちなみに「未来と芸術展」カタログは未入荷でした。注文すると2020年1月頃に家に届くそうです。
リンク
www.mori.art.museum ja.wikipedia.org wired.jp
gigazine.net tentetsuten.com spaceodyssey.fandom.com